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ぼくの夏休み〜富士登山編〜

先日、念願の富士登山に行って来ました。

数年前に「20代のうちにやっておきたいこと」の一つとして富士登山を志して、29歳になった今年がそのラストチャンスっていうことだったので挑戦を決意。

折しもちょうど同行者を募集してたAT-FIELDの千尋(経験者)に名乗りを上げて、同じ指先に止まったGIG MACKの誠と3人で登ることになった。(誠とは登山が決まった段階では面識がなかったけど、ちょうどこの2週間前に新神楽でGIG MACKとの対バンがあって事前に顔を合わせることができた)

不思議なもので、登ると決まってから実際に登るまでに、いろんな人に「ちょうど富士山登ろうと思ってるんだよね」的な話を聞くようになったので、これから登ろうと思ってる人に向けても、富士登山初体験(というか登山自体が初)だった僕の所感をまとめてみようと思う。

 

出発当日は、大阪在住の千尋と誠が富士山に向かう道中に名古屋にいる僕をピックアップしてもらう形で合流。(わざわざ高速降りて家まで来てもらって申し訳ない)

個人的には前日までライブ3連チャンだったこともあって、疲労の残りがかなり心配だったけど、出発が夕方だったので睡眠は十分に取れたし、実際この時点ではかなり元気だった。

富士山に向かう道中は、強めの雷雨に見舞われたり、車がガス欠になりそうになったり、ドラマとしてはそれなりの盛り上がりを見せて、22時ごろに富士山2合目の駐車場に到着。

道中のSAのコンビニで買った行動食(ドライフルーツやナッツなど)をカバンにまとめたり、登山用の格好に着替えたりは全部ここで。

そういえば高速道路を走ってた時はあれだけ荒れていた天気も、いざ富士山まで来てしまったらコロッと晴れてはいたが、この時点で気温はかなり低くて、車から降りるなり感じた冷んやりした空気からは、まるで昼まで灼熱の真夏日に身をさらしていたことなど想像できないくらいだ。

このことからわかる通り、街の天気と山の中の天気は全然違うので、準備するのであれば富士山の天気をしっかり調べる必要があるようだ。

もちろん、登下山している間に天気が目まぐるしく変わることもあるけど、参考までに僕らは下記サイトの登山指数を参考にしてました。

富士山山頂の天気

このシーズンはマイカー規制が実施されているとのことだったので、駐車場からはタクシーで五合目まで移動。(通常富士山は一番麓からではなく、登山道の入り口がある五合目から登ります)

もう少し早い時間に着いていればシャトルバスという選択肢もあったみたいだけど、移動中に聞いたタクシーの運転手さんによる小話が、小粋に僕らの期待をどんどん煽ってくれたことを考えると、これはこれで良かったのかなと思う。(ルートによっては新宿など都心から五合目まで直接行くバスもあるみたい)

さて五合目に着いていよいよ登山開始、と行きたいところだけどこの時点ですでに標高約2400mなので、まずは高地に体を順応させるためにしばらく(30〜40分ほど)待機。

気温的には秋の夜くらい涼しいので、上半身は肌着+長袖のウェア、下は短パンの中にタイツっていう格好でちょうど良かったけど、いざ登り始めてすぐに汗をかいたことを考えると少し厚着だったのかな。

夜間の登山だったのでヘッドライトも必須。登山道に灯りはないので、自分のライトがないと歩けないです。

ちなみに富士登山にはいくつかルートがある中、僕らが選んだのは(千尋が去年登った経験があるため)富士宮ルートというルートで、後から調べてわかったけど、一番メジャーな吉田ルートに比べてやや難易度は高いルートだったそう。

特徴としては他のルートと比べて登山距離および所要時間が短いけど、その分勾配が一番急なので足腰への負担が大きいとのこと。

そして実際登ってみて気づいたことだけど、一般的に(少なくとも僕が)イメージする登山にあるような森林などはほとんどなく、六合目以降はほとんどひたすら岩山を登っていくルートだった。(それもそのはず、標高が高くなればなるほど植物は生きれないからね)

 

かくして24時前に五合目をスタート。

夜間というのもあると思うけど、登り始めてからは基本的に景色はあまり変わらないのと、意外とみんなでワイワイ会話を楽しみながら登るというわけでもないので、ここからは己との戦いだ。

要所要所で山小屋と休憩ポイント(高速道路で言うところのSAみたいな感じ)があるんだけども、最初の休憩ポイントである六合目は距離的には意外とすぐ着いちゃうんだけど、七合目、元祖七合目、八合目あたりはそれぞれのインターバルが長いため、40分〜60分くらいひたすら登り続けると言う時間帯が続く。

各所にある案内板にそれぞれのおおよその所要時間の目安が書かれていて、僕らは大概その目安より10分くらい早く着くことが多かったから、比較的早いペースだったと思うんだけど、その分休憩所に着いた際には少し多めに休憩取ったりしてました。

ちなみに山小屋は購買施設と宿泊施設を兼ねた建物でありながらも、基本的には無料で一服休憩だけ、という名目では建物に入ることができないため、毎回山小屋の外のベンチなどで小休憩をとっていた。(特に深夜ということもあって購買施設も基本的には閉まっていることが多かった)

 

そんなわけで、登山も終盤に差し掛かった九合目の山小屋で、ようやく初めて食堂に飛び込んで、ここで1時間ほどの長めの休憩をとった。

時間としては深夜3時ごろなんだけども、写真の通りもう少しずつ空が明るくなり始める頃だった。

九合目の山小屋で買った味噌汁で一息。

このあたりになってくると外も冬の気温になってくるので、動いていないと少し震えるくらい寒くて、こういうちょっとした暖がありがたい。500円。

 

ガッツリ休憩をとってここからいざ山頂まで残りわずか、と行きたいところだけど、経験者の千尋が警告していたように、いよいよここで富士山が牙を剥いた。

何がって、それは高山病との闘いである。

当然だけども、山を登れば登るほど標高が高くなり、その分酸素が薄くなってくる。

そして酸素が薄くなることによって、ほんの少しの運動で息切れするようになったり、頭痛がしたり、動悸がしたり、はたまた吐き気までもよおすことがあるのだ。(実際山道の途中で小休憩していた時に外人さんが人目を憚らずリリースしていたなぁ)

まぁ実際この高山病に苦しむかどうかも人によるところらしく(車酔いなどよくする人は弱いらしい)、僕以外の二人はそこまでこと高山病に関しては苦しんでいる様子はなかった。

ここらで山頂を諦めて、という考えが一度も脳をよぎらなかったと言ったら嘘になるが、冷静に考えればどっちにしろ下山するにしても楽ではないし、何せここまで来たんだから、という一心で、本当に最後の数十メートルは気持ちだけで登った。

かくして朝6時ごろに無事山頂に到着。

ご覧の通り顔色悪すぎますね、僕。笑

ちなみにご来光は山頂手前の九合目五勺あたりで直撃。(5時前ごろ)

写真で伝わるかどうかわからないけど、これがマジで一生モンの景色なわけよ。

これを見るために富士山登ってる人も多いだろうし、これを見た瞬間辛いことなんて全部忘れられる。

全てを凌駕する圧倒的な絶景でした。

 

山頂に着いてからは山小屋にて3人でカップラーメンをいただいた。

世界一美味いカップラーメンになるだろうと山頂で絶対に食べると決めていたが、この時僕は高山病で吐き気がもう喉元まで来ていたのもあってスープしか飲めず、悔しさが残る結果に。

山頂の気温もやはりそれなりに低かったけど、日が昇ってしまえば強い日差しのおかげで、そこまで寒さは感じなかった。

 

山頂で小一時間ほど休憩をしてからはいよいよ下山。

当然だけど登山があれば下山もあるわけで、僕に関しては下れば下るほど酸素を取り戻すように、元気も取り戻していくことができたので、わりとスイスイ進むことが苦ではなくなっていたが、道が急勾配だということもあり、他二人の足腰はそれなりに悲鳴を上げていたようだった。

なので結局、下山も各山小屋ごとで休憩を挟んでマイペースに。

また、幸いにして登山中は悪天候に見舞われることはなかったけど、下山は途中濃霧の時間帯があったり、時には小雨が降り続いたりもして、登山時とはまた違った形で体力が奪われた。(僕からすれば登山中にこの悪天候に遭遇しなくて本当に良かった)

下山も終盤に差し掛かった七合目の山小屋で昼食をとった時はもはや3人とも精も根も尽き果てていたが、たまたまここで合席した登山家のおじいさんの話に少し元気づけられて、なんとか最後の数百メートルを下ることができた。

かくして五合目の入り口を発って約13時間後、無事に登下山を終えて帰ってくることができた。

時間にしてみれば、なんだこんなもんか、と意外とあっさりとした短さだったかもしれないけど、その道中を振り返ると(特に僕の場合は登山)なかなか壮絶な時間だったなと思う。

しかし下山直後には「もうしばらくいいかな〜」なんて言っていたものの、数時間後には「早くまた登りたい」と思い始めている自分がいた。初めて二郎ラーメン食べた時と同じアレだ。

 

所感としては個人的には今回かなり高山病に苛まれたので、酸素ボンベの活用や登るペース配分を考えればもう少し苦しまなかったのかなとは思う。

足腰に関しては、年明けから始めたランニングや直前に購入したトレッキングシューズのおかげか、ほとんど疲労はなく、後々筋肉痛になることもなかった。

スケジュール面をもう少し見直せるなら、今回僕らは深夜に出発して小休憩のみで登るいわゆる弾丸登山に近い形だったので、一般的な計画のように山小屋で一泊できていれば、こちらも体力的には少し余裕ができたにかなと思う。(が、実際今回このスケジュールで登れてしまったから、個人的にはそこまで重要ではなくなってしまった。僕は前日まで3日間ライブだったし。笑)

それと今回の富士宮とは別に、一番メジャーな吉田ルートのほか、須走ルート、御殿場ルートなどがあることを考えると、まだまだ色んな登り方や楽しみ方ができそうだから、やはり一度と言わず二度三度とまた登りたい。

 

正直、富士山を登ったことで今すぐ人生の何かが変わったかと言えばそんなわけではないのだが(人によっては一概に否定もできないかもしれないが)、山頂に到達した時の達成感と、そこで見た景色から得た感動は何にも変えがたいもので、今後の人生で幾度となく想起する記憶として、いわば財産になることは間違いない。

これまでの自分の人生で何度か同じような経験があるのだが、その日を境に人生というノートのページが確実にめくられたような、そんな経験を30歳になる直前に作れたことがとても幸せだ。

機会を作ってくれた千尋、一緒に登ってくた誠にも感謝。

どこかで聞いた通り、富士登山を共にした仲間はまさに戦友だ。

最高の夏になった。

 

そして何が最高かって、この後さらに二人合流して富士山の麓でキャンプを始めるのだが、その続きはまた後に書くとします。

久々にめっちゃ長くなった。

最後まで読んでくれてありがとう。

今日はここまで。

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