節目を富山で迎えて思うこと

もしも、生きているうちにできる残りの回数が決まっているとしたら、
なんてことを、ここ数年考えるようになった。
刹那主義に燃えていた20代の頃は、その全てを今すぐ使い切ってでも自分の歩みを前に進めることを是としていたが、30代になった今はどうやらそうでもなくなった。
むしろ有限なのであれば、できるだけもったいぶって、味わうように消化したいと考えるようになった。
そう考えるようになったのが後か先か、折しもバンドにおけるライブに対しても同じことを思うようになってからは、心に少し余裕ができたように思う。
他人から視線、どこからともなく現れる焦燥感。
今までであればライブのスケジュールが減ってしまうことや、ましてや先々のスケジュールが白紙であることなんて許容しがたいものであったが、今はそんなことどうだっていい。
事実、SILBERSTYLEはこの先1本としてライブが現段階で決まっていないのだが、そのことに関して不安は全くない。
いささか勝手ではあるが、ヨボヨボのお爺さんになってまでやるつもりで考えたらむしろ未来に胸は膨らむ。焦ることなど何もない。
そんな風に長い目で自分の人生を俯瞰した時、今生きている一瞬というのはほんの一部にしかすぎないのだが、12月21日、先日の富山でのライブは間違いなく自分のバンド人生において節目となる一幕だった。
もちろん、年内最後のライブとしての一区切りもあるが、この日僕らにとって富山でライブができるのは実は初めてのことで、15年以上バンドやって散々ツアーもやって未だ初めて行く土地があるということが、これからのバンド人生への希望に他ならなかった。
https://twitter.com/silberstyle/status/1208601159075655681?s=21
きっと若い頃であれば経験というものには出来るだけ早く巡り合った方が良いと考えていたのだけど(もちろん巡り合わせるための努力はいつだって必要だけど)、長く続けないと巡り合えない経験も人にはあることにようやく気づくことができた。
富山という土地(というかSOUL POWERというライブハウス)もツアーバンドであれば必ず1度は訪れるような場所なのに僕らはこんなにも時間がかかってしまった。
でも逆に、ここまで何度も辞めるタイミングなんてあったのになんとか踏ん張ったおかげで辿り着けたんだと思うと、これ以上求めるものは何もない。
DROPOUTと仲良くなって、「まだ富山行ったことないんだよね」って言う僕らに「いつか必ずウチらが呼ぶから」と交わしてくれた約束の実現は、僕にとって早いくらいだった。
DROPOUTと仲良くなったのが対バンじゃなくて、僕とトオルがたまたま顔出した打ち上げだったってことを考えると本当にどこに何が落ちてるか分からないよな。これだから人生は面白い。
今日はここまで。